上のグラフは、某地方の地域ビルダー様のホームページに対する、「閲覧デバイス別」のアクセス推移グラフです。
要は、その会社様のホームページに対してパソコンからのアクセスが何割で、スマホ・タブレットからが何割か?増えているのか?減っているのか?ということを示しているグラフです。
これを見ると2012年4月段階では、パソコンからのアクセスが約80%を占めていたのに、2014年2月にスマホが逆転し、その後も差は広がり続けています。
現在は、スマホからのアクセスが約60%程度、パソコンからのアクセスは35~40%程度で推移していることが分かりますね。
皆さんは、自社のホームページに何割ぐらいの方がスマホからアクセスして来ているか、把握していますか?
今回は、ホームページの「スマホ対応」についての話です。
スマホからのアクセス比率
上記グラフは、あくまで1社だけの数字ですが、全国的にはどんなものでしょうか。
弊社のクライアントである全国の住宅会社様のホームページを平均すると、スマホからのアクセスはだいたい45~65%程度で推移しています。
これにタブレットからのアクセスが5%程度は必ずありますので、ほとんどの会社様で全アクセスに対するパソコンからの閲覧比率は、5割を切っている状況だと思います。(2016年1月現在)
更に言うと、パソコンからアクセスしている閲覧者の中には、住宅の購入を考えている潜在顧客だけではなく、企業(金融機関・資材メーカー・同業他社・貴社に売り込みをしたい会社など)の担当者も含まれます。こういう人達がスマホから貴社サイトを検索して訪れることは少ないため、実際のエンドユーザだけに限って言えば、スマホからの閲覧比率はもっと高く、パソコンからの閲覧比率はもっと低いと考えられます。
パソコンサイトを見ながらの打ち合わせはやめにしましょう。
ところが、社長をはじめ経営幹部やホームページ担当の方々は、スマホではなくパソコンでばかり自社サイトを見ていたり、ホームページ改善の打ち合わせなどの場でも、いまだにパソコンサイトを見ながらしているケースが多いようです。
そうなると、当然ことながら改善策の中心は「パソコンサイト」ばかりとなってしまい、スマホサイトが置き去りになってしまいがちに・・・
上記の数字を知っていれば、それがあまり意味を成さなくなっていることに、お気づき頂けるかと思いますので、そのような会社様はご注意ください。
工務店・ビルダーのスマホ対応状況は?
さて、ここからはまだ「スマホ対応」サイトを持っていない会社様のための話です。
まず、現在スマホサイトを持っている住宅会社は、何割ぐらいあるでしょうか。
もちろん、大手ハウスメーカーはほぼ全て備えていると思いますが、地域ビルダー・工務店様となると、まだまだといった印象で、私の感覚値ではだいたい4割前後では無いかと認識しています。
では、まだスマホサイトを持っていない会社様は、早く「スマホ対応」をさせた方が良いのでしょうか?
もちろん、前述の通りスマホからのアクセスが半数を超えている現在、さすがに「まだ対応しなくて良いですよ」とは言えません・・・。
だた、「スマホ対応」させるためには、それなりに費用が掛かる上に、単に「スマホ対応させただけ」では、さほどアクセス数が増える訳でもなく、反響数が激増することも無いので、「とにかくスマホ対応さえすれば良い」という単純な話でもありません。
そのため、まずは本稿で「スマホ対応とは一体何か?」「どんなメリットがあるのか?」「どんな方法があるのか?」などを知って頂き、費用対効果を見極めた上で、会社様ごとにご判断されると良いかと思います。
そもそも、「スマホ対応」することの意味とは?
そもそも、「スマホ対応」とは一体どのようなものでしょうか。
一言で言えば、「スマホで見た時に、パソコン用サイトではなく、スマホ用に「最適化」されたサイトが表示される状態」となります。
「最適化」とは、スマホの横幅ぴったりにサイトが収まっている状態で、いちいち指で画面を拡大しなくても、文字が読めるサイズで書かれていたり、ボタンが押しやすいサイズであることなどの状態を言います。
では、「スマホ対応」していると、どんなメリットがあるのでしょうか。
基本的には、
・スマホでの閲覧を前提としたページ構成やレイアウトになるので、見たい情報(ページ)が見つけやすくなる。
・スマホ用に作られたページが表示されるので、パソコンサイトをスマホで見る時のような煩わしさが無い。(画面を拡大するなど)
となります。
つまり、スマホで見た時に「見やすい」「探しやすい」「使いやすい」ため、滞在時間が伸び、閲覧してくれるページ数も伸びることが期待できます。
結果として、貴社への理解も深まり、興味も湧き、
・フォームの入力もしやすいので、反響率(数)が上がる
となります。
逆に言えば、内容が薄くて理解が深まらなかったり、興味が湧かないサイトの場合は、いくら「スマホ対応」させたところで意味がありません。
恐らく、滞在時間も伸びず、反響数も増えないので、無駄な投資に終わってしまう可能性もあります。
スマホ対応してもアクセスは増えない?
では、「スマホ対応」していると、アクセス数は増えるのでしょうか。
実は、昨年(2015年)の4月21日以降、
・スマホでGoogle検索した際に、スマホ最適化されたサイトを、検索結果順位の決定要因の一つとして優遇
するようになりました。
スマホでGoogle検索した際に、以下の赤枠の箇所のように「スマホ対応」と表示されていれば、Googleがスマホに最適化されていると認めていることとなります。
この赤枠の「スマホ対応」マークが付いているサイトの方が、付いていないサイトより検索結果の順位決定時に優遇されるということです。
参考)赤枠の箇所に「スマホ対応」という文字がある
そのため、アクセス数が「増える/増えない」で言えば、多少なりとも検索からの流入が増える “ 可能性 ” はあります。
ただ、これはあくまで他サイトと比較して順位が決められるだけですので、いくら「スマホ対応」したからと言って、「地名+新築住宅」などのキーワードで1位になれるわけではありません。
ちなみに、スマホ対応していなくても「社名」での検索順位はそれほど落ちていないようですので、検索からの流入がほぼ「社名関連」からの会社様の場合は、ほとんど影響無いと思います。
スマホ対応の意義
・・・と、ここまで「スマホ対応」について少しネガティブな書き方をしてしまいましたが、別にスマホ対応させなくても良いという話ではありませんので、誤解なきようにお願いします。
あくまで、「単に “ スマホ対応さえ ” すればバラ色の世界が待っている!」という安直な話では無い、という現実をお伝えしたかった次第です。(根が正直なもので・・・すみません^^;)
言うまでもなく、大切なのは中身です。
スマホ対応の方法
さて、以上のような「スマホ対応」の意義をご理解頂いた上で、では実際に「スマホ対応」をさせたいと思った場合、具体的にどのような方法があるのかをご紹介します。
スマホ対応をさせる場合、大きく分けると以下の2通りの方法があります。
1.パソコンサイトとは別に、スマホ用のサイトを設ける方法
メリット:それぞれに自由なデザイン・レイアウトが可能。
デメリット:ページの追加や情報を更新する際は、それぞれ別々に更新が必要。
2.1つのサイトで、パソコンにもスマホにも対応させる方法(レスポンシブデザイン)
メリット:ページの追加や情報の更新時には、一度の作業でどちらも対応完了。
デメリット:デザイン・レイアウトに一部制約あり。
ですが、現在は「2」が主流となっています。
弊社では、2013年頃までは「1」の方法でスマホ対応をさせていましたが、2014年頃からは「2」の方法に切り替えました。
理由は、「2」の方が新しい技術なのですが、当初は業界的にあまりノウハウが蓄積されておらず、またスマホのスペックも低くて思わぬトラブルが発生して工数が膨らんだりと、「コストに見合わなかった」というのが実情です。
それが、2014年頃からは、技術的にもかなりこなれて来て、スマホのスペックも安定して来たため、コスト的にもクライアント様にご提案出来るレベルに落ち着いて来ました。
そのため、現在新規でホームページ制作をお請けする場合は、よほどの事情が無い限り「2」の方法を採用して、パソコン・スマホ両方のサイトを同時に制作しています。
そして、上記2つの方法で「スマホ最適化」をする場合でも、更に4つの選択肢があります。
A.「1」の方法で、一部のページだけスマホ最適化する
B.「1」の方法で、全てのページをスマホ最適化する
C.「2」の方法で、一部のページだけスマホ最適化する
D.「2」の方法で、全てのページをスマホ最適化する
理想は、もちろん「D」です。ただ、この中では一番コストが掛かります。
取り敢えず、トップページと数ページだけスマホ最適化したい、「早くやりたい」「安くやりたい」と言うなら「A」になります。
でも、近い将来全てのページをスマホに最適化されたいとお考えなら、個人的には「C」という方法がオススメです。
(「B」は、あまり意味が無いので、割愛します。)
ちなみに、コストで言うと「D>C>A」の順となります。(※Bは省略)
スマホ対応させるなら
以上、今回は「スマホ対応」について書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
色々なことを書きましたが、結論としては「スマホ対応」はするべきだと考えています。(それも出来るだけ早く!)
冒頭にお伝えした通り、スマホからの閲覧者の比率が過半数を超えてしまった現在、パソコンサイトだけを更新し続けるコストも時間も勿体無いように感じます。
全てを一度にリニューアルするのは大変ですが、それが無理なら上記のように少しずつ対応させて行く方法もあります。
まずは、貴社のホームページ制作会社に相談してみてください。(もちろん、弊社でも相談に乗りますよ^^;)
それでは今日はこの辺で。
皆さんのお仕事がうまく行きますように!